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月別アーカイブ: 2025年8月

黒江システム技研のよもやま話~第10回~

皆さんこんにちは!

黒江システム技研、更新担当の中西です。

 

~“止めない設備×すぐ直す保守”~

 

省人化設備の価値は動き続けること。私たちは据付→立上げ→保守→修理→更新までを“運用目線”で設計します。MTBFを伸ばしMTTRを縮めるための点検・部品・遠隔支援の型を公開します。


1|据付・立上げの品質は“8割を占める”

  • 水平・アンカー・接地:振動源/歩行動線を避けたベース設計

  • 配線/配管:曲げR・トルク・ドレン勾配、識別チューブで整線

  • FAT→SAT:シナリオテスト(通常/異常/停電/通信断)

  • 引渡し一式:配線図/PLCバックアップ/部品票/潤滑表/初回点検スケジュール


2|保守の“3レイヤー”

  1. 日常点検(オペレータ):清掃・目視・潤滑・消耗確認

  2. 定期点検(当社):月次/四半期で電装・機構・安全を計測

  3. 予知保全(IoT):電流/振動/温度/空圧圧力を常時監視→しきい値アラート

CMMS(保全管理)で部品在庫・履歴・停止要因を一元化。**“同じ故障の再発ゼロ”**へ。


3|SLAと駆け付け体制

  • 一次対応:リモートで30分以内に原因切り分け(ログ・ライブ映像)

  • オンサイト地域拠点から2–4h目標

  • 部品:**A部品(予備常備)/B部品(翌日)/C部品(発注品)**の3区分で在庫設計


4|トラブル“現場フローチャート”

  1. 停止検知(アラーム)

  2. 安全確保(非常停止、エネルギ隔離)

  3. 一次切り分け(電源/センサ/エア/通信)

  4. ログ/写真を送付→遠隔支援

  5. 復旧(一時運転/迂回)→原因是正(部品交換/プログラム修正)

  6. 再発防止(点検周期・しきい値・手順改定)


5|“止めない”設計パターン

  • 二重化:センサ・電源・ネットワーク

  • バイパス/手動モード:設備停止でも出荷/生産を最低限継続

  • 早替ユニット:ユニット交換で15分復旧を実現⏱️

  • 工具レス:現場で六角一本を目指す


6|サイバー×安全対策

  • 初期PW変更・二要素VPN/VLANで外部遮断

  • ホワイトリストUSB署名ファーム

  • 安全回路:カテゴリ/PLr、非常停止テスト、ライトカーテン定期確認


7|教育:人が“強い保守”を作る

  • オペレータ研修:日常点検・復旧・NG事例

  • 保全研修:電装計測・エア回路・PLC基本・画像照明入門

  • 動画マニュアル:1項目60–120秒QRで現場再生


8|点検メニュー(抜粋)✅

  • 機構:ガタ/摩耗/バックラッシ、グリス・ベルト張り

  • 電装:電源/サーボ発熱/盤内温湿度、絶縁/接地

  • センサ:しきい値・光軸・汚れ、予備切替テスト

  • 空圧:漏れ/圧力降下/フィルタ差圧

  • 画像:照度・フリッカ・レンズ汚れ

  • IT:ログ転送/時刻同期/NTP/バックアップ


9|修理レポートの“型”

  • 症状/発生日・時間/停止影響(数量・時間)

  • 一次/最終原因(人・機械・方法・環境・材料)

  • 対策(恒久/暫定)+再発防止(手順・教育・設計)

  • KPI反映(OEE・MTTR差分)


10|更新・改造のタイミング

  • 故障頻度↑・部品EoL・タクト不足→更新/増強

  • 小改造:治具/段替・プログラム・照明見直しで費用対効果大

  • 大改造:ライン再構成はPoC→段階移行で止めない


11|費用感と契約

  • スポット修理定期点検フルメンテSLAの3本立て

  • 遠隔監視+点検パック停止前検知駆け付け回数減

  • 消耗品定額と**稼働保証(OEEコミット)**も設計可能


12|まずは“健康診断”から

稼働ログと現場ヒアリングで停止要因ベスト5を特定。30日改善プランを提示します。
“止めない・すぐ直る・また止まらない”——このサイクルを、私たちが現場で作ります。⚙️✨

 

 

黒江システム技研では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

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黒江システム技研のよもやま話~第9回~

皆さんこんにちは!

黒江システム技研、更新担当の中西です。

 

~人手不足に勝つ~

 

省人化は“機械を入れること”ではありません。業務可視化→簡素化→標準化→自動化→IT/OT統合の順で設計すれば、投資回収(ROI)と現場満足は両立します。私たちは設計・据付・立上げ・保守修理まで一気通貫。この記事は、はじめての省人化でも迷わない実務の型をまとめました。✨


1|現状診断:まず“人の動き”を見える化

  • ECRS(排除→結合→交換→簡素化)で工程を棚卸し

  • タクト/歩数/待ち/探す/持ち替えを動画&ヒートマップで可視化

  • KPI初期値:OEE、欠品率、不良率、ピッキング生産性、残業時間、障害件数

自動化は“最後”。先にムダを消すほど投資は小さく効きます。


2|どこを自動化する?——“重い×繰り返し×危険”が最優先

  • 搬送コンベヤ/AGV/AMRで“運ぶ人”を減らす

  • 組立・供給協働ロボット+フィーダでサイクル安定

  • 検査AI画像認識+照明設計で目視置換

  • 倉庫デジタルピッキング/自動棚/WMS連携で誤出荷ゼロへ

  • 事務RPA/自動ラベリング/電子帳票で紙を無くす


3|IT/OT統合:データが回らない自動化は“置物”

  • PLC・センサSCADA/MESERP/WMS双方向を設計

  • API/OPC UAでベンダ混在を吸収、ロット・トレースを自動付与

  • リアルタイム見える化:ダッシュボードで稼働・アラーム・在庫を一画面に


4|設備選定の“5つの物差し”⚖️

  1. タクト適合:目標CT±10%以内

  2. 柔軟性:型替時間、パーツ変更の手数

  3. 保守性:消耗品点数、工具不要性、MTBF/MTTR

  4. 安全:PLr/SIL、ガード、協働要件

  5. TCO:電力・エア・保守費・教育費を含む総保有コスト


5|投資計画:ROIを“式”で決める

  • 年労務削減+歩留まり改善+機会損失回収 −(減価償却+保守費)=年間便益

  • 回収期間24〜36か月を目標に、**段階導入(PoC→部分導入→本格展開)**でリスク低減

  • 補助金税制は工程初期に検討(仕様に影響)


6|設計〜立上げの流れ ⏱️

  1. As-Is/To-Beプロセス図作成

  2. レイアウト・配線配管計画(BIM/3Dで干渉チェック)

  3. FAT(工場受入)→据付→SAT(現地)→本稼働

  4. 作業標準書・教育(動画マニュアル&点検表)


7|“失敗あるある”と回避策 ➡️✅

  • 自動化前のムダ放置 → まずECRS

  • 過剰スペック → タクト・品質に必要十分で選定

  • 型替地獄治具共通化クイックチェンジ

  • データ孤島API/バーコードで連携前提設計

  • 保守属人化部品標準化遠隔監視


8|見積比較チェックリスト ✅

  • 仕様書のタクト・良品率定義

  • 安全レベル/リスクアセスメントの有無

  • FAT/SAT範囲、教育時間、初年度保守

  • スパアパーツ同梱と納期

  • サイバー対策(初期PW変更、VLAN、VPN)


9|導入後のKPI設計(例)

  • OEE:+10〜20%

  • 人時生産性:+30%

  • 不良率:-30%

  • ピッキング誤り:-80%

  • 重大停止MTTR:-40%(遠隔一次対応)


10|まずは“1週間の現場診断”から

動画可視化と生産データで省人化ロードマップを作成。概算・工程・ROIA3一枚でご提示します。
**「人が価値を生む仕事」に人員を戻す。**それが私たちの省人化です。✨

 

 

黒江システム技研では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

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